使い続けると伸びてしまい、元に戻らなくなるゴム製品。
お気に入りであればあるほど、「捨てるのが惜しい!」と感じることでしょう。そんな時、どうにかして元の状態に戻す方法は存在しないのでしょうか?
この記事では、伸びたゴムの復活方法として、ヘアゴムや輪ゴムなどを縮める方法を紹介します。
また、日常でよく使う靴下やスウェットのゴムが伸びた場合の対処法にも触れているので、この機会にぜひ役立ててください。
熱を使って伸びたゴムを復活させる方法
ゴムの主成分は、天然素材の「ポリイソプレン」です。
・ゴムバンド…硫黄を加えて加硫することで、弾力性を持たせています。
・ヘアゴム…特殊な編み方で糸を組み込み、弾力性を高めています。
ただし、天然ゴムは高温や紫外線、微生物に弱く、熱や紫外線にさらされると溶解したり生分解したりすることがあります。
使用するたびにゴムは少しずつ劣化し、伸びてしまうことが避けられません。
伸びたゴムを復活させるためには、ゴムの分子が活発に動く「ミクロブラウン運動」を利用することがおすすめです。
●ミクロブラウン運動とは?
・温度が高いとゴムは縮み、弾性が増す。
・温度が低いとゴムは伸び、弾性が減少する。
伸びてしまったゴムを縮める際は、ゴムに一時的に熱を加えることが鍵となります。
伸びた輪ゴムとヘアゴムを縮める実用的な方法
伸びてしまった輪ゴムやヘアゴムを元の状態に戻す方法をお教えします。
①お湯を使って縮める方法
熱湯を利用してゴムを縮ませる手法です。
この方法を使うと、すぐにゴムが元のサイズに戻ることが確認できます。
熱湯を使う際やゴムを拭いて乾燥させる時は、火傷に注意が必要です。
・熱湯
・ボウルまたは別の容器(ゴムを入れるため)
・布巾やタオル
・伸びたゴムをボウルに入れ、その上から熱湯を注ぎます。
・ゴムが縮んだことを確認したら、速やかに熱湯を捨て、ゴムを布巾やタオルで拭き取って乾かします。
②ヘアドライヤーを使って縮める方法
装飾が施されたヘアゴムや、熱湯を使うのが適さない素材のものは、ヘアドライヤーで温めて縮める方法が効果的です。
・ヘアドライヤー
・ヘアドライヤーを使用して、伸びたゴム部分に均一に熱を当てます。
ゴムが劣化しないように、状態を見ながら加熱時間を調整してください。この作業中にも、手や指が熱で火傷しないように注意してくださいね。
日常用品のゴムパッキンを復活させる方法
私たちが日常で使っているお弁当箱や水筒、キッチンツール、シンクの排水溝カバーなどには、ゴムパッキンが多く使われています。
これらのゴムパッキンが伸びてしまい、困っている方も多いのではないでしょうか?
特に、新しいパッキンの手配が困難だったり、製造中止で入手不可能な場合もあります。
ゴムパッキンは他のゴム製品と同様、熱を利用した収縮方法が応用可能です。
・熱湯
・氷水(収縮が過ぎた場合)
・容器(ボウルなど)
・布巾やタオル
・ボウルにゴムパッキンを入れ、熱湯を注ぎます。
・ゴムが適度に収縮したら、熱湯を捨てます。
・布巾やタオルでゴムパッキンを拭き取ります。
・パッキンを使用する製品に取り付けてサイズを確認します。
もしゴムが過度に縮んでしまった場合、氷水に浸して少し伸ばすことができます。これはゴムの性質を利用した調整方法です。
これにより、使用困難と思われていたゴムパッキンが再び使えるようになるかもしれません。
靴下やトレーナーのゴムを復活させる方法
ゴム製品を縮める方法がありますが、靴下やトレーナー、パーカーの袖口のゴムに関してはどうでしょう?
これらの伸びたゴムは熱湯だけでは修復できません。
しかし、これらのアイテムを修繕する手段は存在します。
「ゴムカタン」と呼ばれる細いゴム糸を使用し、ミシンまたは手縫いで内側の布部分にゴムを2~3周縫い付けることで、修復が可能です。
この方法で、伸びたゴムに新しい強度をもたらすことができ、愛用の靴下やトレーナー、パーカーを長く快適に着用することが可能になります。
ゴムが縮まない場合、無理は禁物
ゴムの収縮方法を説明しましたが、使用状況によってはゴムが縮まないこともあり得ます。
頻繁に使用すると、ゴムは摩擦で劣化し、繰り返し熱を加えて収縮しようとすると、溶けたり切れたりすることがあります。
ゴムが縮まない場合は、そのゴムは寿命と考えるべきです。
装飾のあるヘアゴムは新しいゴムに交換できるなら交換し、普通の輪ゴムは新しいものを使用するのが良いでしょう。
まとめ
伸びたゴムの復活方法をお話してきました。
ゴムは天然のポリイソプレンを主成分としており、天然素材であるため長期間の使用により劣化します。
特に熱や紫外線、空気中の微生物の影響を受けやすく、これらによって溶解や断裂が発生しやすいです。
また、ゴムは熱を加えると収縮し、冷やすと伸びる性質があります。これはブラウン運動の一種で、温度変化によってゴムの粒子が動くことで発生します。
伸びてしまったゴムを元に戻す一般的な方法は熱湯をかけることです。
熱湯の使用が難しい場合には、ヘアドライヤーで熱を当てると徐々に収縮します。
例えば、お弁当箱のゴムパッキンも熱湯をかけることで縮めることができます。伸びた靴下やトレーナー、パーカーのゴム部分には、細いゴム糸で補強することも可能です。
しかし、熱を加えても縮まないゴムは無理に使わず、新しいものに交換するのが良いでしょう。
ゴムの特性と対策を理解し、適切に対処することが大切です。