「資料はどこに置いたかな?」や「この説明、何を指してるの?」といった問題はよく耳にします。
新たな年度や部署の異動、退職が近づくと、仕事の引継ぎが必要になりますが、皆さんの体験はいかがでしょうか?
過去に私は、前任者から「資料を参照してください」と簡単に言われ、何をどう進めればよいか見当もつかず困惑したことがあります。
今回は、そのような引継ぎがぐちゃぐちゃという苦労を未然に防ぐための重要なポイントをいくつか紹介したいと思います!
引継ぎがぐちゃぐちゃ!失敗する主な理由:一般的な5つの問題点
引継ぎにおいてトラブルが発生する主要な原因を5つ挙げます。
口頭説明のみに依存
最初に挙げるのは、口頭での説明だけに頼ることです。
説明を聞きながらメモを取る努力も空しく、話の展開が複雑で、最終的に何が重要であったかを見失ってしまうことがあります。
不完全なマニュアル
次に、存在はするものの不十分に整理されたマニュアルの問題です。
重要な情報が散逸していたり、詳細が多すぎて肝心のポイントが見え隠れすることが問題です。
引継ぎ期間が短すぎる
引継ぎ期間が不足していることも一因です。
「本日が最後の日ですから、急ぎますね」という状況では、質問の余地もなく、理解する前に時間が過ぎてしまうことがあります。
業務知識の共有不足
引継ぎが不充分な状態で前任者が離職し、他のスタッフも詳細を把握していないため、新任者が立ち行かなくなることもあります。
問題が発生しても解決の手助けを誰からも得られない場合、新任者にとっては大きな負担となります。
前任者だけでなく、チーム全体で情報を共有することの重要性がここにあります。
実際の業務と引継ぎ内容の不一致
最後に、前任者による資料があっても、それが実際の業務の内容や手順と異なる場合があります。
特に複数のタスクが絡み合う複雑な業務では、このような問題が発生しやすいです。
不適切な引継ぎは、後任者に十分な情報が伝わらず、後に大きな問題となることがあります。
引継ぎがぐちゃぐちゃになってしまう大きな要因はこれらの5つです。
口頭による引継ぎの問題点と注意すべきこと
口頭での引継ぎには様々なリスクが伴います。
加えて、説明を聞いたときは理解したと感じても、時間が経過すると細部が記憶から薄れてしまうことも珍しくありません。
さらに、前任者が職場を去った後に何か質問があった場合、連絡を取るのが難しくなり、些細な疑問が大問題へと発展することも。
効果的な引継ぎのための7ステップと重要なポイント
次に、円滑な引継ぎを実現するための手順を紹介します。
●引継ぎ対象の業務リストアップ
まず、引き継ぐべき業務を全て洗い出しましょう。
日常業務から年に1度の特別なタスクまで、一覧化することが重要です。
●引継ぎスケジュールの作成
引継ぎ期間を少なくとも1週間は確保し、理想的には2週間を目指しましょう。
各タスクの説明時間も予め計画しておきます。
●マニュアルの整備
業務手順はもちろん、関連する連絡先リスト、年間スケジュール、過去の問題対応、FAQも含めたマニュアルを作成します。
●実務を通じた説明
実際に業務を行いながらの説明を通じて、理解を深めていくことが有効です。特に注意が必要な点については実務の中で重ねて説明します。
●理解度のチェック
説明の後には、必ず質問を受け付けて理解度をチェックします。
表面的な理解を確認するだけでなく、実際に業務ができるかどうかを詳細に確認します。
●情報の共有
引継ぎが完了したことを関係者全体に周知し、必要に応じて新担当者を紹介します。
フォローアップの設定 引継ぎ後も1ヶ月は質問受付の体制を維持し、特に最初の1週間は日々、疑問点をチェックするための時間を設けることが効果的です。
チーム内での情報の共有と属人化の防止
このような共有により、属人化を避け、メンバーが不在の際でも業務が滞りなく進行します。
万が一、前任者が離れた後に不明点があっても、他のメンバーが支援を提供できます。
引き継ぎ資料の上長による確認
引き継ぎ資料を作成した際は、上長に確認を依頼することが推奨されます。
上長のチェックにより、資料の質を保証し、適当な内容や手順が排除されます。
疑問点や不足している部分を修正し、次の担当者にとって明確で理解しやすい資料を作成しましょう。
まとめ
最終的に、引き継ぎが完了するタイミングは、双方が十分に満足するまで見極めることが重要です。
余裕をもったスケジュールで、適切な引き継ぎ資料の準備を行うことで、スムーズな引継ぎが実現可能です。
もし資料作成で不安がある場合は、ここで挙げたポイントを参考にして、初めはシンプルな業務から文書化を始めてみることをお勧めします。
適切に引き継ぐことで、次の担当者もきっと感謝するでしょう。