裁縫や手芸をするとき、ほつれ止めは欠かせない作業です。市販のほつれ止め液は便利ですが、すぐに使い切ってしまいコストがかかることもあります。
そこで、家庭にあるものや100均で手に入るもので代用できないかと考えることもあるでしょう。
幸いなことに、家庭にある身近なアイテムや100均で手に入る材料でもほつれ止めの役割を果たせるものがいくつかあります。
しかし、これらの代用品は素材や作業手順、洗濯方法によって適不適があります。
この記事では、それぞれの代用品の使い方や注意点、選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。ご参考になれば幸いです。
ほつれ止め液の代用品
以下で、ほつれ止め液の代用品を4つご紹介します。
たいていのアイテムはご家庭にあるので使えるものもあるでしょう。
1. マニキュア
ほつれ止めとして使う場合は、透明なトップコートを選ぶと良いでしょう。色付きのマニキュアだと、生地に色が透けて見えることがあります。
マニキュアをほつれ止めとして使う際には、次の点に注意してください。
・においが強い
マニキュア特有の強いにおいが気になる場合は、換気の良い場所で作業するか、他の代用品を試してみると良いでしょう。
・塗りにくい
マニキュアはドロッとしていて広範囲に塗るのが難しいため、小さなポイントごとに少量ずつ付けていくと良いです。速乾タイプを使うと、乾燥時間を短縮できます。
マニキュアの特性を理解し、適切に使うことで、手軽にほつれ止めをすることができます。
2. 木工用ボンド
100均で購入できる上、家庭に常備されていることも多いので、すぐに手に取れる便利さがあります。
しかし、木工用ボンドを使用する際には、以下のデメリットを考慮する必要があります。
・水性で水に弱い
洗濯機での洗濯には耐えられないため、手洗い程度のケアが必要です。
・硬く固まる
完全に乾くと硬くなり、縫うことができなくなります。
・乾燥に時間がかかる
乾燥するまでの時間が長く、次の工程に進むまで待たなければなりません。
・ドロッとしている
そのままでは使いづらいため、水で薄める手間がかかります。
・乾燥後に目立つ場合がある
透明になるものの、固まりとして目立つことがあります。
木工用ボンドを使う際は、水を少しずつ加えてサラサラになるように調整しながら使用すると、扱いやすくなります。また、水に浸けると白濁しますが、乾かすと再び透明に戻ります。
3.布用ボンド
これらは水で薄める必要がなく、そのまま使えるのが特徴です。木工用ボンドと同様に水溶性で透明になるため、目立つ場所には使いにくいという欠点があります。
特に『裁ほう上手』といった布用ボンドは、ほつれ止めにも非常に使いやすいです。
このボンドはアイロン掛けが必要ですが、しっかりとほつれを防ぎ、洗濯やクリーニングにも対応しています。
ただし、アイロンをかけた後は硬くなるため、使用場所によっては注意が必要です。
4. 布用両面テープ
種類が豊富で、水に強いタイプのものを選べば、洗濯も可能です。
布用両面テープの主な特徴は、強い粘着性です。
この特性により、貼った後に手縫いやミシンでの処理を行うと、針に粘着成分が付着してしまい、ベトベトになることがあります。
最悪の場合、針が折れてしまうこともあります。そのため、布用両面テープだけで処理する場合に使用するのが良いでしょう。
ほつれ止め液の代用品として、家庭にあるアイテムや100均で手に入る材料を活用する方法を紹介しました。
裁縫や手芸の際にこれらの代用品を上手に使いこなして、コストを抑えつつ便利に作業を進めてみてくださいね!
ほつれ止め液の成分について
裁縫を楽しむ人にはおなじみのKAWAGUCHIのピケは、主にナイロン樹脂とアルコールで構成されています。
このナイロン樹脂は、水分で薄められているため、使用後もきれいな仕上がりが保たれます。
一方、木工用ボンドの主成分である酢酸ビニル樹脂は、水分が蒸発することで固まる性質を持っています。そのため、洗濯などで水に浸かると、水分が戻って元の状態に戻ってしまうことがあります。
だから、KAWAGUCHIのピケのイメージで木工用ボンドを代用品として使うと「あれ?」と思ってしまうでしょう。
100均で手に入るほつれ止め液
ほつれ止め液は100均でも手軽に購入できます。近くに100均があるなら、探してみると良いでしょう。
ダイソー
商品名は「ほつれ止め液」です。ピケの3倍量が入っているため、とてもお得です。使用感としては、以下の特徴があります。
・乾燥後の固さはピケよりも柔らかい
・ダイソーの方がさらさらしている
ただし、ダイソーのほつれ止め液は洗濯には向かず、一度洗濯するとほつれが出てしまうことがあります。取り扱いがない店舗もあるため、見つからない場合は店員さんに確認してみましょう。
セリア
商品名は「布地のほつれ止め液」です。ピケのナイロン樹脂とは異なり、ウレタン樹脂を使用しています。
薄手の生地には向かず、撥水加工やシルクなどでは乾燥後に白くなる可能性があります。
使用前に一度ハギレで試してから使うことをおすすめします。洗濯が可能なのがポイントです。
キャンドゥ
セリアと同様にウレタン樹脂を使用しています。薄手の生地に使う場合は、事前にハギレで試してみると安心です。
ほつれ止めを代用品で済ます時の注意点
代用品を使ってほつれを防ぐ際に注意すべきポイントは次の4つです。チェックしておいてくださいね。
・ミシンや手縫いで追加処理をするか
・乾いた後に目立たないか
・素材が薄手かどうか
これらのポイントを重視しながら、適切な代用品を選びましょう。
●洗濯や水洗いをする予定がある場合
マニキュア、水に強い布用ボンド、セリアのほつれ止め液が適しています。
●ミシンや手縫いで処理を追加する場合
マニキュアや100均のほつれ止め液が良いでしょう。
●目立つ場所の処理
透明なトップコートや100均のほつれ止め液がおすすめです。
●シルクサテンやオーガンジーなど薄手の素材
透明なトップコート、布用ボンド、100均のほつれ止め液が適しています。
●それ以外の場合
マニキュア、木工用ボンド、布用ボンドが使いやすいです。
ご家庭にあるアイテムでほつれ止め液の代用をする場合、ケースバイケースでピタリと合うものが変わってきますね。
まとめ
ほつれ止め液の代用品としては、
●狭い範囲のほつれ止めには、マニキュアのトップコート
が適しています。
薄める手間やにおいが気になる場合は、手間をかけずに済む100均のほつれ止め液を使うのが簡単です。